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九大フィルハーモニー・オーケストラ 特別記念演奏会 2018

この記事は、ダンナの担当です。

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九大フィルの東京公演を聴きに行きました。
題して、九大フィルハーモニー・オーケストラ 特別記念演奏会。

ただし、わたしは、九大とは何の関係もありません、と、書こうと思ったら、
甥が九大の卒業生でした。でも、オケとは何の関係もありません。
久しぶりのサントリーホールでした。

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指揮は、鈴木優人さん、ピアノは、上原彩子さん。

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演奏会最初は、ブラームス作曲、大学祝典序曲です。
この曲、有名なわりに、実演に接する機会が少ない曲です。
わたしは、生涯3回目でした。
大学生の演奏する大学祝典序曲、それはそれは爽やかで、元気があって、
楽しませていただきました。
鈴木さんは、今日も指揮棒を持たず、
それでいてすばらしく分かりやすい指揮ぶり。
今日の席は、ステージ真横でしたので、表情もしっかり見えました。
客席には、お父様の姿も確認できました。ものすごいオーラを感じました。

2曲目、チャイコフスキー作曲、ピアノ協奏曲の前に、
ステージ中央にピアノが登場。
下手側のひな壇が自動でウイイイン、と下がって、
フラットになった床面をピアノが移動してきます。
サントリーホールならではの光景でした。
30年前、この光景を見て、「日本にも凄いホールができたな」と、
当時学生だったわたしは思ったのでした。

上原さんがにこやかに登場して、ピアノ協奏曲の演奏開始。

第1楽章は、ホルンが素晴らしい!
少々影のある音色が、チャイコフスキーにぴったりでした。
上原さんのピアノは、時々ミスタッチがあるものの
(そもそもこの曲をミスタッチなしで弾くなんてあり得ない)、
時に激しく、時にメランコリックに、自在な音色を聴かせます。
特に、カデンツァでの色彩感はさすがでした。
その中でも、第2楽章中間部のソロは圧巻。
ジャズを思わせるカデンツァを、ほどよく抑制の効いた演奏でまとめていました。

ところで、この曲は、オーケストラにとっても難しく、
特にフルートはソロが多くて、アマチュアにはきついのではないかと思います。
第1楽章最後のカデンツァの後、
第2楽章の冒頭は、想像しただけでも胃が痛くなるフルートソロです。

第3楽章の圧倒的なフィナーレを若者らしく溌剌と演奏して、
大拍手をもらった後、
フルートのトップの女の子が涙を拭う姿を見て、
こちらももらい泣きしてしまいました。
立派な演奏でした。彼女は一生覚えていることでしょう。

盛大な拍手に応えて、上原さんが弾いたアンコールは、
ラフマニノフ作曲 プレリュード Op.32-5。

知らない曲だったので(そもそもピアノ曲は無知)、
帰って調べようと思っていたら、サントリーホールのHPにありました。
自分で調べていたら、きっと分からなかったと思います。
知らない曲ではありましたが、上原さんが弾くと、
どこか人懐っこく、今までもずっと隣にいた曲のような気がします。
上原さんの人柄なのでしょうか。

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今日のサントリーホールは、ほぼ満席。
休憩時間に、トイレに行くのも大混雑です。
ウィーンフィルでも、こんなに盛況にはならないんじゃないかな。


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後半は、ドヴォルザーク作曲 交響曲第9番「新世界から」。
最初から最後まで脳内再生できるくらい知っている曲ですが、
何度聞いても新しい発見がある曲です。
今日は、オケ真横の席だったので、特にフルートがよく見えました。
「謎」として語られることもある、フルートのメロディがなぜ2nd? 問題。
今日、見ながら聴いていると、やはり、1stと2ndでは、人も違いますし、
当然音色も微妙に違います。
わたしは、この音色の違いが必要なのかなと思いました。
1回目と2回目で、同じメロディなのに、微妙に音色が違うこの感じ。
これが、ドヴォルザークが求めていたものなのかも知れません。
2回目になると、より深く、アメリカという異界に入っていくような。
わたしは、今日、そんなことを考えながら聴いていました。

今日、この曲のわたしのMVPは、ティンパニの女の子。
ハッとするような衝撃的な音を、
ここ一番で入れ込んできました。やられました。
鈴木さんの指示だったのかも知れないけど、そのセンスに脱帽しました。

本日最後の曲は、中村滋延作曲 九大百年祝典序曲。
2018年改訂版だそうです。
チラシには載っていなかった曲です。
当日、プログラムに、突然載っていました。

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面白い曲でした。
九州にゆかりのあるメロディを随所に埋め込んであるそうです。
わたしが分かったのは、黒田節だけでしたが、
日本のメロディがそこここに感じられました。
日本のメロディに近いと言われる、ドヴォルザークとの相性もよいですね。
たいへん盛り上がって終わりました。

この時点で、演奏会が始まってすでに2時間20分。
そろそろお開きかと思いきや、
さらにアンコールにチャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」からトレパーク。
この場面だけのバスクラリネットが登場したり、
チャイコフスキーで泣いていたフルートの女の子が再び登場したり、
みんなで華やかに演奏会を終わりました。

調布国際音楽祭にたまたま入っていたチラシをみて購入した演奏会でしたが、
思いがけずかなり楽しみました。
わたしが個人的に大好きなステージ真横の席に、
久しぶりに座れたことにも満足しました。
この席、わたし個人の集計では、
サントリーホールで一番音がよいのです。
そして、何より、安いのです。今回も、たしか1500円。
まあ、わたしたちの席は、いつもこんな感じの価格帯ですけど。
たとえN響でも(E席1500円)。
関係ない話はさておき、今回も大満足の演奏会となりました。

最後に、知り合いが出演する演奏会のチラシが貼ってあったので、パチリ。
この日、わたしは、仕事で聴きに行けません。申し訳ない。


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by ginko1192 | 2018-08-19 00:27 | 音楽