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ラフォルジュルネ 3日目② 伊福部昭プログラム

昨年は、他のプログラムと重なってしまい、泣く泣く諦めた伊福部さんのコンサート。
井上道義さんと、新日本フィルのみなさんが一昨年からシリーズにしてくださっているプログラムです。

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今年は、滝田美智子さんをソロに迎え、「二十弦箏とオーケストラのための交響的エクログ」という曲を演奏し、その後、「日本組曲」から3曲というプログラムでした。

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1曲目の箏をソロに据えた協奏曲風の音楽。
箏という楽器は、こんなに多彩な音が出せるのかと驚きながら聴きました。
美しく、時に切なく。
オケは、それに寄り添って、柔らかい音でソロを支えます。
ヴァイオリンがノンヴィヴラートで、笙の音を模す演奏が印象に残りました。
箏の滝田さんは、小柄な方に見えましたが、演奏はダイナミック。
低い方の弦を演奏される時には立ち上がり、かなりの前屈み。
腰は大丈夫かなと、いらない心配もしてしまいますが、和服の美しい演奏者でした。
曲は、どうも6つの部分に分かれているようでしたが、最後はトムトムも活躍して、大盛り上がり。

大きな拍手でソリストを送ったあと、井上さんがステージに戻り、2曲目。
「日本組曲」から、「盆踊」が始まります。
井上さんは、指揮というより、盆踊りを踊っているような動き。
でも、もちろん拍はぴったり合っていて、すごい。

次に、「演伶(ながし)」。「盆踊」ほどアップテンポではないものの、こちらもノリのよい楽曲でした。
井上さんは、まるで畑を耕すような動きを織り交ぜながら指揮をします。
もしかして、この動き、事前に練習した?

最後に「佞武多(ねぶた)」。短い前奏のあと、やはりこちらも踊りの音楽に。
アップテンポではないものの、なぜか血湧き肉躍る音楽です。
こういう曲で盛り上がるということは、やはりわたしも日本人だなあ。

そういえば、指揮の井上さん、一昨年は、マイクを持って聴衆に語っていました。

「伊福部さんの曲は、日本の音楽を取り入れてるから、昔は、『こんな曲書いて、はずかしい』って言われたの。でも、もちろんそんなことない。日本人は、土地を耕して生活する。土まみれになりながら、仕事をする。そういう力強い音楽なの。」

そんな意味のことだったと思います。
その語り口を懐かしく思い出しながら、今年は伊福部さんを聴けて満足でした。

ところで、伊福部さんのコンサートの前に、結構たいへんな思いをして、オリヴィエ・シャルリエさんのマスタークラスの整理券を手に入れていたのですが…。

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伊福部さんのコンサートが少し伸びて、行くことができませんでした。
こういうこともあるのが、ラフォルジュルネ。
残念だけど、仕方ありません。
誰も使わなくなった整理券を撮影しました。

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わたしの席は、キャンセル待ちのどなたかの席になったはずです。


by ginko1192 | 2019-05-06 01:15 | 音楽